ホームページやネットショップの開設・運営を行い新規顧客を獲得する上で、SEOは欠かせません。また、SEO対策を施したサイトは、結果的に顧客にとって使いやすいサイトになるという利点もあります。この記事では、Shopifyでできる基本的なSEO対策と、SEO対策におすすめのShopifyアプリをまとめました。
SEOとは
SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、検索結果でウェブサイトが上位に表示されるように調整することです。検索エンジン最適化とも呼ばれます。
Google(グーグル)やYahoo!JAPAN(ヤフージャパン)などの検索エンジンで欲しいものを検索したとき、ほとんどの人は検索結果の上位に出てくるサイトからクリックしていきます。そのため、潜在顧客を獲得するためにはSEO対策をすることが重要となります。
ShopifyストアのSEO対策16選
1. 独自ドメインを購入する
ウェブサイトのURLに独自ドメインが使われている方が、検索エンジンからの評価は高くなります。可能であれば、短く関連性の高いSEOに適したドメインに切り替えることをおすすめします。
Shopifyでは、独自ドメインを取得しなくても、myshopify.comのサブドメインを利用してストアを構築することができますが、SEO対策のために独自ドメインを取得することをおすすめします。独自ドメインは、Shopifyから直接購入することが可能です。
ドメインを購入した後は、Shopify管理画面の「ドメイン」ページからオンラインストア用のドメイン設定を管理できます。
2. 適切なキーワードを特定する
潜在顧客がどのようなキーワードでサイトや商品を検索しそうか考えて、キーワードのアイデアを書き出しましょう。そのキーワードをGoogleキーワードプランナーやKeyword Toolなどのキーワード検索ツールで調べて、どのくらいの検索ボリュームがあるかを確認します。類似キーワードや関連キーワードも見つけることができるため、ここで特定したキーワードをページ内に含める工夫をしていきましょう。
3. URLやスラッグにキーワードを組み込む
スラッグとは、URLの最初の「/」に続く、URLの後半部のことです。メインのURLが固定されていても、スラッグはカスタマイズすることができます。このスラッグにキーワードを含めることで、検索エンジンに対してページの内容を明確に伝えることができ、SEOが向上します。
たとえば、ハラペーニョソースを販売しており「ハバネロ」「辛い」などのキーワードが予測される場合、
https://kindahotsauce.shop/products/hot-enough-habanero
のようにスラッグをまとめると効果的です。ただし、キーワードを詰め込みすぎると評価が下がり、逆効果となってしまいます。
https://kindahotsauce.shop/products/hot-sauce-habanero-hot-sauce-mild-sauce-150ml
のような、長すぎるスラッグは避けましょう。
4. タイトルタグを設定する
タイトルタグとは、検索結果やブラウザのタブに表示されるタイトルのことです。このタイトルタグもSEOの対象になります。
ストア自体のタイトルタグだけでなく、Shopifyの各商品、コレクション、またはページのタイトルタグもそれぞれ設定することができます。オンラインストアのタイトルタグは、[オンラインストア] > [各種設定] > [タイトルとメタディスクリプション] から編集可能です。
他のページについては、それぞれのページ下部の [検索結果のプレビュー] から [ウェブサイトのSEOを編集する] をクリックすることで設定できます。
タイトルタグは、先ほど特定したキーワードを含めたうえで、簡潔にまとめましょう。複数のページに同じタイトルを設定したり、過度に文字数を増やしたり、内容と関係のないタイトルをつけると、逆にSEOが下がってしまう可能性があるので注意してください。
5. メタディスクリプションを設定する
メタディスクリプションの設定もSEO対策に効果的です。メタディスクリプションとは、ウェブページの内容を簡潔に説明した短いテキストで、検索結果で紹介文として使用されます。顧客の関心を引けるように、簡潔にわかりやすくページ内容を記述してください。メタディスクリプションは、検索結果の順位上昇にはあまり関係がありませんが、検索結果が表示されたとき、訪問者を増やすことにつながります。
Shopifyは自動的にページからテキストを取り込みますが、マーケティング目標に合わせてメタディスクリプションを手動でカスタマイズすることもできます。メタディスクリプションは、Shopifyの管理画面から、ホームページ、ページ、コレクション、ブログ記事に設定することができます。これらは、タイトルタグと同じ箇所で編集することが可能です。
6. ページヘッダー(h1)にキーワードを含める
ページには、hタグを使用して見出しを設定することができます。その中でもh1タグは、最上位の見出しであり、検索エンジンに対してWEBページの内容を伝える重要な役割をはたします。ここにキーワードを含めることで、キーワードの関連性を検索エンジンに伝えて、ページの評価を上げることができます。
たとえば、Frenzyというブランドで黒いTシャツを販売する場合、商品名を「Frenzy Tシャツ - 黒」のように設定しましょう。潜在顧客が検索エンジンで「Frenzy」「Tシャツ」または「Tシャツ 黒」などのキーワードを入力したときに、検索結果の上位に表示される可能性が高くなります。
7. 内部リンクとメニューを整える
ウェブサイトの中に内部リンクを貼りましょう。内部リンクは、リンク先のページに対する「投票」のようなものです。ページへのリンクが増えるほど、そのページのコンテンツに対する信頼性が高まり、重要であると評価されるようになります。
メニューにも、主要なページに内部リンクを貼りましょう。主要ページには、サイト内のすべてのページから簡単にアクセスできるようにしておくことが重要です。
8. すべての画像にAltタグをつける
Altタグは、ウェブサイトに掲載された画像の内容を記述するためのものです。画像にテキストの説明を追加することによって、画像検索を最適化したり、画像検索からの流入を増やしたりすることができます。
また、ユーザビリティの向上においても、Altタグは重要な役割をはたします。たとえば、視覚障害のあるユーザーが読み上げアプリを使用した際に、画像の代替テキストとしてAltタグが読み上げられるため、画像の内容も踏まえてサイトを理解することができます。
9. レスポンシブデザインのテーマを使用する
Googleはウェブサイトをモバイル表示でも評価しています。検索エンジン向けにストアを最適化するには、ユーザーが使用するデバイスの画面サイズに合わせて、サイトの表示を自動的に最適化してくれる「レスポンシブデザイン」のストアテーマを使用しましょう。Dawnなど、Shopify公式の無料テーマは、基本的にレスポンシブデザインになっています。
テーマがモバイルデバイスを使うユーザーにとって使いやすいかどうか確認するためには、Googleが無料提供しているウェブサイトの分析・診断ツール「Lighthouse(ライトハウス)」を使用しましょう。ウェブサイトにアクセスするすべてのユーザーにとって、見やすいページになっているか、点数をつけて診断してくれます。
10. コンテンツを増やす
商品説明、コレクションの説明、またはブログ記事のコンテンツが多いほど、Googleやその他の検索エンジンで上位にしてもらえる可能性が高くなります。主要なキーワードをいくつか含んだ記事や説明文を書いてみましょう。
11. 画像の表示速度を最適化する
Googleはページの読み込み速度をSEOの評価基準としていて、特にモバイルデバイスでの表示速度を重要視しています。画像の読み込みが遅いと、ページ全体の表示速度が下がってしまい、検索順位が下がる可能性があります。表示速度を向上させるには、画像サイズを圧縮するか、JPEGやPNGよりも軽いWebPなどの拡張子を使用しましょう。
また、アプリなどを使って遅延読み込み(レイジーロード)機能を実装するのも有効です。ウェブページの画像を一気に読み込むのではなく、必要になってから読み込む機能です。ページの読み込み速度が向上すれば、検索エンジンからの評価が上がるだけでなく、訪問者の離脱を防ぐことができます。
12. Google アナリティクスの設定をする
Shopifyのアナリティクスでもストア分析のデータを取得することができますが、Googleアナリティクスを連携すると、さらに詳細なデータが得られます。
どのキーワードがトラフィックをもたらしているのか把握し、キーワードを最適化したり、どのページが検索結果で上位にランクしているかを理解して、ページデザインを調整したりしましょう。
13. Google Search Consoleの設定をする
Google Search Consoleは、Googleの検索結果においてウェブサイトがどの位置に表示されているかを教えてくれるツールです。Google Search Consoleを使用すると、それぞれのページが、どの検索キーワードの組み合わせでランクインしていて、どの検索ワードがユーザーを呼びこんでいるのか確認することができます。
14. Google Search Consoleにサイトマップを送信する
Google Search Consoleに「サイトマップ」を送信しましょう。サイトマップとは、ウェブサイトの構造やページの優先度を、検索エンジンに知らせることができるものです。サイトマップを送信すると、主要なページが優先的に表示されるように、検索順位内で考慮されます。
Shopifyでは、ストアのサイトマップである「sitemap.xml」ファイルを自動で生成できます。「https://”自分のドメイン”/sitemap.xml」がサイトマップのURLです。
Google Search Consoleにサイトマップを送信する方法は次の通りです。
- Google Search Consoleのメニューで [サイトマップ] を選びます。
- 「新しいサイトマップの追加」のセクションで、サイトマップのURLを入力し、[送信] ボタンをクリックします。
- サイトマップが認識されると、完了画面が表示されます。
15. リッチスニペットを作成する
リッチスニペットを作成すると、クリック率が上がり、結果的にSEO対策になります。リッチスニペットとは、Googleなどの検索結果ページに表示される「特別な検索結果の表示形式」です。通常の検索結果では、ページのタイトルとメタディスクリプションが表示されますが、リッチスニペットでは、それに加えて商品の価格、在庫状況、評価、レビューの数など、詳細な情報も一緒に表示されます。
たとえば、オンラインで商品を探しているときに、検索結果に「★4.9の評価」「価格:2000円」「在庫あり」などの情報が一目で表示されているのを見たことがあるかもしれません。これがリッチスニペットです。リッチスニペットは、構造化データと呼ばれる特別なコードを使うことで検索結果に表示されます。
Shopifyの無料テーマは、自動的にリッチスニペットに必要な構造化データが含まれているため、特別な設定をしなくても、商品ページの情報が検索結果に表示されます。ただし、カスタムテーマや他のテーマを使用している場合は、少し技術的な作業が必要になります。アプリなどを使用してリッチスニペットを作成しましょう。
16. ページを公開状態にする
Shopifyストアを構築中の場合は、完成させて公開しましょう。公開準備が整ったら、構築中にパスワードで保護していたページも公開にしましょう。クローラーは、パスワードで保護されているページのコンテンツを取得できません。
おすすめのShopifyのSEOアプリ
Shopify アプリストアから、SEO対策に役立つアプリをダウンロードして使用しましょう。たとえば、次のようなアプリがあります。
TinyIMG
料金:無料プランあり。有料プランは、月額14ドル〜
TinyIMGは画像圧縮とストアの高速化、メタデータの最適化などを通じてSEOを改善できるアプリです。ワンクリックで画像を自動的に圧縮し、メタデータを最適化できます。また、壊れたリンクの問題を修正する機能もあります。
SearchPie
料金:無料プランあり。有料プランは、月額39ドル〜
SearchPieは、レポートを通したSEO問題の把握や、Altタグ、メタディスクリプション、メタタイトルの一括更新などの機能を備えたアプリです。画像の圧縮やページ読み込みの高速化、Altタグやメタデータの自動更新、404エラーの修正などを通じて、サイトの信頼性を向上させることができます。24時間の無料チャットサポート付きです。
Page Speed Booster
料金:無料
Page Speed Booster は、画像の表示速度を改善することに特化したアプリです。詳細設定で遅延読み込み機能を使うことができます。アプリのインターフェースは日本語に翻訳されておらず、英語で提供されています。
Tapita SEO & Speed Optimizer
料金:インストールは無料
Tapita SEO & Speed Optimizerは、ページの読み込み速度を改善できるSEO対策アプリです。多言語およびAIを活用してSEOメタタグを生成する機能もあります。
Smart SEO
料金:無料プランあり。有料プランは、月額9.99ドル〜
Smart SEOでは、メタタグの生成、画像の最適化、ページ速度の改善など、重要なSEOタスクを自動化して管理できます。AIを活用したメタタグの作成や、壊れたリンクの自動修正などの機能を備えています。
SEO King
料金:無料プランあり。有料プランは、月額9.99ドル〜
SEO Kingは、GPT AIをベースとするSEO対策アプリです。 多言語サポートと、40以上の言語の自動翻訳機能があります。
Stamped.io
料金:無料プランあり。有料プランは、月額23ドル〜
Stamped.ioは、商品レビューなどUGCを収集して、コンバージョンを増やすためのアプリです。リッチスニペットを有効にする機能も備わっています。
まとめ
SEO対策は、検索エンジンでの表示順位を上げて、新規顧客を獲得するために欠かせません。Shopifyには、SEO対策のためのさまざまな機能が備わっています。独自ドメインの取得、GoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleの設定、レスポンシブデザインのテーマの使用、内部リンクの整備、メタタグの最適化、そして画像の表示速度の向上など、さまざまな対策を通じてサイトを最適化しましょう。
また、SEO対策に便利なShopifyアプリを活用するのも有効です。アプリやツールを活用しながら、常に最新のSEOトレンドを把握して、検索エンジンからの評価を継続的に高めていきましょう。
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よくある質問
SEOとは?
SEOとは、広告ではなく顧客が自発的に検索をしたとき、検索結果で上位に表示されるようにウェブサイトを最適化することです。
検索順位はどうやって決まる?
検索順位は、検索エンジンのアルゴリズムによって決定されるサイトの評価によって決まります。ウェブサイトが公開されると、検索エンジンクローラーというボットが、ウェブサイトを巡回して情報を収集します。検索キーワードが含まれているか、コンテンツがキーワードに関連しているか、情報が新しいか、ユーザーにとって使いやすいか、信頼性が高いか、検索したユーザーの役に立ちそうかといった観点から、サイトを評価し、総合的に検索結果の順位を決めています。この検索アルゴリズムは常に進化しており、SEO対策は継続的に行う必要があります。
SEOはなぜ重要?
検索結果の上位に表示されればされるほど、クリック率が高くなるからです。訪問者と顧客を獲得するには、特定のキーワードで上位に表示されることが重要です。
ShopifyでできるSEO対策は?
ページごとのタイトルタグ、メタディスクリプション、およびページのURLを編集できます。Altタグも、すべての画像に対して設定することが可能です。また、自動でサイトの構造を伝えるsitemap.xmlファイルと、トラフィックを管理するrobots.txtファイル、評価対象となるページを指定するcanonical URLタグが生成されます。
SEO対策に役立つアプリはありますか?
はい、Shopifyアプリストアには、SEOに役立つアプリが多数用意されています。
SEO対策について困ったらどうすれば良いですか?
SEO対策について困ったら、Shopify Expertsに連絡を取り、SEO対策の専門家の助けを借りることができます。
文:Taeko Adachi