新規事業やブランドを立ち上げる際に準備しておくべきものの一つに、ロゴがあります。ロゴはビジネス成功のきっかけにもなる、ブランディングの上でも重要な要素の一つです。その出来が悪ければ、マーケティングや販売戦略にネガティブな影響を及ぼすこともあります。
ビジネスにおいて重要な役割を果たすロゴですが、初めての事業立ち上げの場合や個人事業主の場合、プロのデザイナーに支払うお金を捻出できないことがあります。デザインの経験がない場合には、最適なロゴを作成することは簡単ではありません。
この記事では、ロゴが作成できる無料・有料サイトやアプリをまとめて紹介しています。なぜロゴは重要なのか、また作成する際に注意したい点についても解説していますのでぜひ参考にしてください。
ロゴが重要である理由
ロゴは、ブランドや事業の第一印象を決定づける要素です。適切にデザインされたロゴは、顧客に信頼感を与えるだけではなく、権威性を高めます。その一方で、クオリティの低いロゴは、顧客が競合他社を選ぶ一因となります。
配色やレイアウトのバランスが悪いと、ロゴのクオリティは下がります。低品質のロゴは、SNSやウェブサイト、チラシなどの印刷物といったチャネルにも悪影響を与える可能性があります。例え業界最高レベルの製品やサービスを提供していたとしても、素人っぽさを感じさせるロゴでは、顧客がブランドから離れてしまうきっかけにもなりかねません。
逆に、適切にデザインされたロゴは、以下のような効果を得られます。
- 注目を集める:優れたロゴは人々の注目を集めます。ロゴを通してブランドの特徴や価値を潜在顧客へ素早く伝える役割を果たしてくれます。
- 認識しやすい:ロゴはブランドアイデンティティの一つです。競合他社との差別化に役立つだけでなく、あらゆるチャネルでブランドやビジネスについて認識・記憶してもらうことができます。
- 顧客ロイヤルティを高める:プロ仕様のロゴは、潜在顧客にも信頼感を与えます。また、製品やサービスの役割を担うわけではないものの、ブランドを知っている人にとって、ロゴはブランドや企業を思い出させる機能を果たします。
個人事業主や小規模事業の場合は特に、良いロゴは成功に必須の要素の一つと言えます。ロゴは潜在顧客の記憶に残るだけではなく、ブランドの顔となり、顧客とのつながりを築き、更には長期的な顧客維持や売り上げ向上も助けてくれるでしょう。
無料のロゴジェネレーターとアプリ5選
1. Shopify(ショッピファイ)ロゴメーカー
無料でプロのようなロゴを作成するなら、Shopifyロゴメーカー「Hatcful(ハッチフル)」がおすすめです。スマホからでも操作しやすいため、アプリのように手のひらの上で簡単にロゴ作成ができます。世界各国において、14万人以上のビジネスオーナーに活用されています。
ビジネスに関するいくつかの質問に答えるだけで、ロゴメーカーが数百以上のテンプレートからビジネスに適したロゴを提案してくれます。Shopifyロゴメーカーを利用するメリットは以下の通りです。
- 時間とお金の節約になる:ロゴメーカーは無料で何度でも使用可能です。お金や時間をかけることなく、だれでも本格的なロゴを作成できます。
- 何百ものテンプレートがある:プロがデザインした何百ものロゴテンプレートから選択できます。
- パッケージとしてダウンロードできる:ロゴだけではなく、すぐに使用できるFacebook(フェイスブック)、X(エックス、旧Twitter)、Instagram(インスタグラム)、YouTube(ユーチューブ)、Pinterest(ピンタレスト)、LinkedIn(リンクトイン)用画像がパッケージに含まれています。すぐにSNSマーケティングに取り掛かれるだけでなく、ファビコンも準備されているため、ウェブサイトの構築の際にも便利です。
- 直感的にデザインできる:操作しやすいUIを採用しているため、色の調整やアイコンの追加、レイアウト編集などが簡単にでき、ロゴを自由にカスタマイズできます。
- 業界に合わせたデザインができる:各業界に適したロゴを、自動で提案してくれます。スタイルや使用するチャネルなどを選択するだけで最適なデザインを作成してくれるため、例えばYouTubeチャンネル用のロゴが欲しい、といったニーズにも対応可能です。
Shopifyのロゴメーカーは、Shopifyを使っていない人も無料で利用できます。さらに高クオリティなロゴをご希望の場合には、プレミアムロゴテンプレートを購入することも可能で、ダウンロード時に料金が発生する仕組みをとっています。ブランドのロゴをHatchfulで無料作成する方法の記事もぜひ参考にしてみてください。
2. Canva(キャンバ)
Canvaは、テンプレートやAI技術を活用して初心者でも多彩なデザインを作成できるツールです。直感的に操作しやすいという特徴を持っているため、簡単にロゴをデザインできます。テンプレートは、アート・デザイン、ゲーム、スポーツ、飲食店、DJなど業界や職業ごとの分類だけでなく、ひらがな、漢字、和風など雰囲気から選ぶこともできます。
Canvaで提供されているテンプレートの中には、精巧に作られたものや面白いものも豊富にありますが、自分で編集を行う必要があります。Canvaを活用したロゴの作成方法やデザインの参考になるロゴサンプルなどを集めた記事も充実しているので、うまくいかないと感じたら参考にしてみてください。できあがったデザインは、無料でダウンロードができ、自由に使用可能です。
一度でもCanvaを使ったことがある方は、ロゴ作成の操作も簡単に行えることでしょう。また、SNSマーケティングやオリジナルグッズを販売する際のモックアップにも活用できます。
3. Adobe Express(アドビエクスプレス)
Adobe Expressは、Illustrator(イラストレーター)やPhotoShop(フォトショップ)で有名なAdobeが提供するデザインツールで、無料プランも用意されています。ロゴの作成では、既存のテンプレートから気に入ったテンプレートを選び、自社やブランドに合ったデザインにカスタマイズできます。また、会社ロゴ、YouTube用ロゴなど使い道から選ぶことも可能です。
テンプレート数が豊富で、ロゴのイメージが固まっていない方のアイデア探しにも役立ちます。編集機能を使えば、作ったロゴから動画用のアニメーションロゴを作成することもでき、ブログやウェブサイト、SNSなどでの活用が可能です。
Adobe Expressを使えば、数千あるAdobe Fontsからロゴのスタイルに合わせたフォントを選べます。また、ロゴだけでなくチラシやポスター、SNS投稿用の無料テンプレートも豊富で、これからビジネスを始める人にとって必要な機能が揃っています。
4. Fotor(フォター)
Fotorは、画像の加工や編集といった機能を提供するサイトです。カテゴリー別に分類されたテンプレートから好きなものを選び、テキストや画像、色を調整することでオリジナルロゴを作成することができます。操作方法や機能、UIはCanvaと似ています。無料版ではJPG、PNG、PDF形式でダウンロードができますが、高度な編集機能やより多くのテンプレートを使いたい場合には有料版へのアップグレードが必要です。
5. VistaCreate(ビスタクリエイト)
VistaCreateは、無料テンプレートを選んで編集できる、ビジネス向けのグラフィックデザインツールです。ロゴに関してもプロがデザインした数千以上のテンプレートがアップロードされているため、アイデア探しにも役立ちます。フォントやイラストなどのデザイン要素も豊富で、カスタマイズを楽しみたい人にも最適です。VistaCreateにはチュートリアルも用意されているので、使い方を学ぶだけでなくデザインに関する知識を得ることも可能です。
有料プランにアップグレードすることで、プレミアムデザインテンプレートが使用できたり、背景除去機能が使えたりするほか、チームアカウントを使うこともできるようになるため、複数人でデザインを調整する可能性がある場合には有料プランが適しています。
有料のオンラインロゴ作成ツール5選
1. オンライン・ロゴ・メーカー
オンライン・ロゴ・メーカーは、AIを使ったロゴジェネレーターツールです。自社ビジネスやブランドに関連するキーワードを入力し、業種やロゴのスタイルを選択すると、ビジネスに適したロゴテンプレートをピックアップしてくれます。使用したいデザインが見つかったら、色の組み合わせやフォント、図形などをカスタマイズしてオリジナルロゴが簡単に作成できます。通常のロゴの他に、3Dロゴメーカーやアニメーションロゴなども作れるため、差別化を図りたい方にもおすすめです。
作成したロゴは、所有権ごと買い取ることができます。解像度や画像フォーマットに応じてベーシックロゴパッケージ、HDロゴパッケージ、プラチナムロゴパッケージの3種類のプランから選べます。
2. DesignEvo(デザインイーヴォ)
DesignEvoは、1万以上のテンプレートからロゴを作成できるサイトです。業種やカテゴリーから選べるだけではなく、ゼロから作ることもできます。アイコンやフォントも豊富で、手軽にオリジナルロゴを作成できます。ロゴを作成するだけなら無料で行えるため、操作しやすいか、使いたいデザインがあるかを確認してから支払いに進むことができます。
有料プランにはベーシックとプラスの2種類があり、どちらのプランの場合でも編集して再ダウンロードできるため、後で手直しをしたくなった際にも安心です。
3. Renderforest(レンダーフォレスト)
Renderforestは、ブランディングやマーケティング向けのデザインツールです。ロゴの作成では、キーワードを入力するとAIが適したテンプレートを見つけてくれます。業種や好みのスタイルを入力すると、おすすめのロゴテンプレートが表示されるため、気になるテンプレートを見つけてカスタマイズしましょう。
作成したロゴは、プレビューをクリックすれば名刺やウェブサイト上でどのように表示されるかのモックアップが見られるため、実際にロゴを使用した時の雰囲気まで確認することができます。作成したロゴをSVG形式またはPNG形式でダウンロードするには、有料プランに登録する必要があります。
4. LogoMakerr(ロゴメーカー)
LogoMakerrは、AI技術を使ったロゴ作成サイトです。キーワードを入力すると、テンプレートを選択できます。選択したテンプレートは、編集する前にモックアップを全画面表示で確認でき、オリジナルグッズや名刺、ウェブサイトなどさまざまなパターンを確認できます。ロゴの色やシンボルマークの編集をする際には、パターンが提案されるため、デザインに自信がない人も気に入ったものから選択ができます。
料金プランはベーシック、プロ、ブランドの3種類から選べますが、解像度の高いロゴを作るためにはプロ以上のプランが必要です。
5. ロゴマーケット
ロゴマーケットは、プロのデザイナーが作成したロゴマークから気に入ったロゴを選択・購入できるサイトです。ロゴは業種や色、価格から検索可能で、気に入ったデザインを購入したら、どのようにアレンジをしたいか要望を出します。担当のデザイナーがロゴのアレンジや修正を行って提案してくれる仕組みのため、自分でのアレンジには不安がある方に向いています。修正回数は無制限・無料のため、納得のいくロゴを作成できます。
料金は6種類のみで、追加料金はなく、キャンセルも無料で行えます。ただし、ロゴ納品までに時間がかかる可能性があります。カスタマイズが必要ない場合には最短60分程度で納品してもらえます。
無料で使えるロゴデザインテンプレート
無料で使えるShopifyのロゴデザインテンプレートを使用すれば、数分で印象に残るロゴが作成できます。これらのテンプレートには、プロ仕様のロゴを作成するために必要となるカラー配色やデザインが含まれているため、デザインの経験がない方でも数分でロゴを作成することができます。
さまざまなブランドや業界に適したテンプレートやデザインが充実しており、すべて無料で閲覧、使用できます。美しいロゴや目立つロゴを作成することで、潜在顧客に自社やブランドの存在をアピールできるでしょう。
ロゴデザインのポイント
ロゴはブランドと提供する商品・サービスを表現するためのもので、ブランドアイデンティティの一つとして認識されます。顧客の心をつかむには、シンプルかつ印象的で、さまざまなチャネルで使用しやすいロゴにすることを意識すると良いでしょう。デザインする際には、以下の5つの点に気を付けてください。
- ブランドバリューを定義する:ブランドバリューやアイデンティティを決定しないと、ロゴを通してどのようなデザインを実現するかが決定しにくくなります。
- 一つのアイデアに固執しない:最初に作ったデザインが最高のものとは限りません。さまざまなデザインを参考にしたり、複数のロゴデザインを作成したりして、最適なデザインを作り上げましょう。
- 色と形の心理学について学ぶ:色や形がデザインに与える影響を知る必要があります。この色や形のデザインを採用することによって、どのような効果が期待できるのか、その理由を理解することが重要です。
- トレンドに流されない:質の高いロゴは流行に影響されず、時代を超越した印象を与えます。
- フィードバックを得る:最終的なデザインを決定する前に、顧客や外部の専門家からのフィードバックを求めましょう。
ロゴをデザインする際に避けるべきこと
ロゴをデザインする際には、避けるべきことは以下の3つです。
- 意味のないイラストや画像、クリップアートを使う
- 複雑すぎるロゴを作る
- 白黒にすると見栄えが悪くなる
ECサイトや企業サイトのなかには、上記に当てはまるロゴを使用している場合があり、ロゴの効果を十分に発揮できない可能性があります。ロゴ作成中に疑問が生じたり、不安に感じたりする場合には、プロのデザイナーを雇ってロゴを作成すると良いでしょう。Shopifyエキスパート(英語)からデザイナーを見つけて、ビジネスを目立たせてみてはいかがでしょうか。
自社ビジネスやブランドに最適なロゴができたら、Shopifyで構築された優れたデザインのサイトも参考にしてみてください。
まとめ
ロゴ作成ができる無料・有料のサイトは数多く存在します。ロゴデザインの経験がない方や初めてビジネスを立ち上げる方は、Shopifyのロゴメーカーをぜひご活用ください。オンライン上で無料で使えるだけではなく、直感的にデザインできるUIを採用しているため、ロゴを素早くカスタマイズできます。
ロゴはブランドや事業の第一印象を決定づけるだけではなく、信頼感を与えたり権威性を高めたりする効果もあります。無料・有料のロゴジェネレーターでは不安という方は、プロのデザイナーに依頼し、納得のいくロゴを作成することをおすすめします。
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ロゴ作成に関するよくある質問
プロにロゴ作成を依頼するときの相場は?
プロにロゴ作成を依頼する場合、相場は5万~15万円程度です。提案するロゴの数や修正などの工数によっても金額が変わります。
無料でかっこいいロゴを作ることはできる?
デザイナーが作ったテンプレートやロゴジェネレーターなどを使えば、無料でかっこいいロゴを作ることができます。ただし、ロゴの文字や色などは自分でカスタマイズすることになるため、デザインに自信のない人はプロに依頼することも検討すると良いでしょう。
ロゴデザインのポイントは?
- ブランドバリューを定義する
- 一つのアイデアに固執しない
- 色と形の心理学について学ぶ
- トレンドに流されない
- フィードバックを得る
ロゴは、シンプルかつ印象的で、色々なチャネルで使用しやすいものである必要があります。また、意味のないイラストや画像・クリップアートを使わない、ロゴを複雑にしすぎない、白黒でも見栄えの良いものにするといった点にも注意すると良いでしょう。
文:Masumi Murakami